「漢方精撰百八方」 (クリックすると処方にとびます)


     その運用とかんどころ
     漢方で治る病気の話 特輯

 金匱会診療所では昭和30年代から40年にかけて、「漢方で治る病気の話」全4巻を発刊しましたが、この著書は診療所開設40周年の記念に再版しました。また、この4巻の別巻として「漢方精撰百八方」が昭和40年に発刊されました。この著は再版しておりません。この著は漢方で頻用される処方を解説し、その使い方のかんどころ、治験などを非常に分かりやすく、当時の漢方界の中心的な先生方が書いたもので、この著をこのまま眠らせてしまうのはおしいと考え、ここに順次掲載してゆくことにしました。書かれてから30年以上の歳月がたちましたので、日進月歩の現代医学的な記載については現在の考えと違うところもありますが、漢方については、その価値は全く損なわれておりません。現代ほど漢方が普及していなかった時代に、漢方にすべてをかけて研究されていた先生方のことばは非常に貴重なものと思います。
 なお、この著の著作権は、医療法人社団 金匱会診療所にありますので、転用はご遠慮下さい。

「漢方精撰百八方」著者
相見三郎、石原明、伊藤清夫、大塚敬節、藤平健、矢数道明
山田光胤



 
まえがき

 此の数年来、漢方に対する大方の期待がようやく高まってきたが、必ずしもすべての人に漢方が正しく理解されているとは言えない。近頃ようやく漢方の真の姿を知りたいという要望が一般にも強くなつてきたようである。漢方の発展のためには、まことに喜ばしいことである。
 漢方友の会は、正しい漢方医学の普及発展のために、昭和三十四年来、毎年漢方講座を開催してきた。またその講義録の一部を、「漢方でなおる病気の話」として刊行してきた。
 今回、第七回の講習に際しても、その講義を一冊にまとめて刊行する次第である。
 本書の執筆者は、日本東洋医学会の前会長、理事長、理事で、漢方医学会の権威揃いであり、従つて講義の内容も、漢方を研究される方々の要望に十分お応え出来るものと確信する次第で、特に臨床家に稗益するところが大であると考える。
 漢方友の会は、今後もこの種の講座を続け、また本書の如き刊行物を発刊、もって正しい漢方の普及発展に貢献したいと思うものである。
      
      昭和四十年三月一日   漢方友の会理事長  津村 重舎

 


                                   以上